. 心理言語学ラボ

東京都立大学・心理言語学ラボ


研究テーマ

心理言語学ラボでは、以下のような研究テーマを扱っています。

  • 言語理論ベースの行動実験や脳波実験によって、母語話者や第二言語話者が言語を理解・産出・獲得する仕組みを明らかにする
  • 行動実験や脳波実験によって、母語話者や第二言語話者が無意識または意識的に持つ言語知識を明らかにする
  • これ以外にも、共同研究で以下のテーマを扱っています。

  • セデック語(台湾)、カクチケル語(グアテマラ)、トンガ語(トンガ王国)の現地調査(研究代表者:小泉政利教授(東北大学))
  • 意識的・無意識的文法学習が言語習得・言語処理に及ぼす影響
  • 特に言語理論と言語処理の両方に関わりのあるテーマを扱っていますので、これらのテーマやそれに近いものに関心があれば、東京都立大学・心理言語学ラボで学ぶのに適していると思います。

    学生の募集

    東京都立大学・心理言語学ラボでは、学部生・修士課程の院生の募集を行っています。学振PDの受入も可能で、採用実績もあります。入試情報は、東京都立大学のページを参照してください(学部入試大学院入試

  • 学部生:東京都立大学 人文社会学部 人間社会学科 言語科学教室(2年次から教室配属)
  • 大学院生:東京都立大学 人文科学研究科 人間科学専攻 言語科学分野 言語科学教室
  • 言語科学教室は、理論的研究(音韻論・統語論・意味論)と実験的研究(心理言語学・神経言語学・言語発達脳科学・言語精神科学)を専門とする教員が在籍しており、緊密に連携をとりつつ様々な共同研究を活発に行っています。 国内で理論的アプローチと実験的アプローチの両方を同時に学べる講座が極めて少ない現状を考えると、ユニークな教育・研究環境だと思います。

    言語科学教室の研究設備

    言語科学教室では、様々な言語実験を行う環境が整っており、自由に使うことができます。言語科学教室の教員・スタッフ・学生と共有して使うことになります。

  • 脳波計 Brain Products 64ch / 32 ch & シールドルーム
  • 近赤外線分光脳計測装置 NIRS
  • 眼球運動計測装置 EyeLink 1000 Plus(デスクトップマウント & リモートマウント)
  • 眼球運動計測装置 Tobii Pro nano
  • 経頭蓋直流・交流電気刺激装置 tDCS/tACS
  • その他に、矢野が個人で所有してる装置は以下の通りです。心理言語学ラボのメンバーは、優先的に使うことができます。

  • 脳波計 QuickAmp & TriggerBox
  • 眼球運動計測装置 EyeLink 1000 Plus(デスクトップマウント & リモートマウント)
  • 経頭蓋直流・交流電気刺激装置 HD-tDCS/tACS
  • その他、実験実施・解析に使用できるワークステーションなどがあります。

    これまでに指導した卒業論文

  • 鈴木裕衣 (2017) 日本語の文理解における感情の影響―事象関連電位を指標として― [link][link] [要旨]
  • Minemi, Itsuki (2016) Processing of filler-gap dependencies by Japanese learners of English [link][link] [要旨]
  • Tsumura, Saki (2016) Processing of temporarily ambiguous sentences by Japanese learners of English [link] [要旨]
  • 荒木琴子 (2015) 形容詞-名詞間の連体関係における距離の効果について―事象関連電位を指標として― [要旨]
  • 草場鈴恵 (2014) 再分析処理における構造の選好性について[link] [要旨]
  • 河野翔子(2013)英語母語話者におけるfiller-gap依存関係の構築ー日本語母語話者との比較検討を通してー [要旨]
  • 桑原行人(2013)日本語三項動詞文の理解過程についてー右方転移文を用いた検討ー [要旨]
  • 徳永奈美(2013)日本語における左側節境界の設定についてー時の副詞の呼応関係を中心にー [要旨]
  • 矢野舞子(2013)日本語におけるgap-filler依存関係の構築ーERPを用いた焦点化分裂文の研究ー [要旨]
  • 石川優衣(2012)三項動詞文の基本語順についてー動詞情報からの検討ー [要旨]
  • 村山博美(2012)子どもの比喩表現の獲得についてー情動と身体運動感覚を用いた研究ー [要旨]
  • 立山憂(2012)譲歩文の理解過程について―事象関連電位を指標として― [要旨]
  • 下田美超(2012)照応表現「そうする」の理解過程について―ERPを指標として― [link] [要旨]
  • 見月香織(2012)隠喩文の理解過程についてー意味活性の時間的変化ー [要旨]
  • * 学部生でも希望があれば、学会発表や雑誌論文執筆の指導も行います。卒業研究で日本言語学会大会発表賞を受賞した学生や、国際雑誌に論文が掲載された学生もいます。

    これまでに指導した修士論文

  • Kim, Yoan (2015) Processing of pre-nominal relative clauses in Korean [link]
  • 立山憂 (2014) 文理解における依存関係の構築過程について[link]
  • 担当講義・演習

    *どの講義・演習も言語科学教室以外に所属する学生も受講可能です。

  • 心理言語学(後期):言語理解や言語産出のメカニズムに関する講義です。様々なテーマの研究を広く紹介するというよりも、個々の研究で、仮説・予測・結果・解釈を細かく確認し、批判的に考察することを重視しています。 扱う研究は、反応時間を計測するようなシンプルなものですので、実験手法に関する前提知識は必要ありません。 ただし、「統語論基礎」または「統語論」を履修済み、または同時に履修することを推奨しています。言語科学教室の学生(2021年度以降入学者)は必修科目です。
  • 言語情報処理の統計学(前期):言語関連の実験で必要となる統計の基本的な考え方を学ぶ講義です。Rを用いて言語理解・産出実験で得られたデータに統計処理をする方法を学びます。高校レベルの数学(文系)の知識が前提となります。
  • 言語科学特殊講義(前期):脳波実験の実習(初歩)です。言語研究における脳波計測の(非)有用性を理解すること、脳波実験を適切に行うための知識の取得すること、MATLABを使用した脳波解析の技術の習得すること、 心理言語学に関する論文(英語)を理解できるようになることを目指します。
  • 言語科学特殊講義(後期):行動実験の実習。グループに分かれて行動実験を行います。言語理解や産出に関する論文(英語)を読み問題点を考えること、 自ら実験を考え、自己ペース読文課題・反応時間計測実験・眼球運動計測を実施すること、RやMATLABでデータ分析を行うことが求められます。「心理言語学」及び「言語情報処理の統計学」を受講していることが前提となります。
  • 言語情報処理研究・言語情報処理特論(前期・講義):大学院修士課程・博士課程の講義です。人間の言語機能を理解するためにはどのようなアプローチが可能なのか、 または望ましいのかや、言語の知識と運用の関係性をどのように捉えれば良いのかなどを議論しています。扱う文献は、言語関連のものに限らず、神経科学などもあります。
  • ことばの科学(前期・講義):言語科学教室の教員が数回ずつ担当するリレー式の講義です。ことばの仕組みについての理論的研究、行動研究、脳・神経科学的研究について学びます。主に1年生を対象とした講義なので、言語科学教室への所属を希望する学部生は受講したほうが良いです。
  • オフィスアワー(前期・後期):授業・研究・進路等に関しての相談(日時を確認。 オフィスアワー以外でも、随時、研究・論文指導を行っています。
  • 講義・演習ではないですが、毎年2月に研究会(通称、脳波祭り)を開催しています。
  • 倫理的な点に関して

  • 障がい等の事由により合理的配慮が必要な学生は、矢野に相談して下さい(参考:東京都立大学ダイバーシティ推進室
  • 教室に所属すると実験研究を行うことになると思いますので、研究倫理を遵守する必要があります。(東京都立大学南大沢キャンパス研究指針(人文科学研究科)
  • <抜粋>
  • 研究者は、人間の尊厳を重んじ、基本的人権に配慮しなくてはならない。研究者は参加者の権利と福祉を保護する責任と、そして、これを保障するためにできる限りの措置を執る責任を認識し、その責任を負わなくてはならない
  • 研究者は、参加者の性・信条・年齢・学歴・地位・障害の有無・人種(レイス)、民族、その他にもとづく差別的な扱いや言動、ハラスメントを行ってはならない。